2015年5月11日月曜日
小諸そば 二枚冷やしたぬき、堕つ
非常に残念なことが起こった。
小諸そばの二枚冷やしたぬきそばが劣化したのだ。
「二枚冷やしたぬきの方~」と店員に呼ばれ、丼を受け取る。
ひと目見て、自分の目を疑った。
これを見てほしい。
わかるだろうか。
非常に残念なことだ。
別皿にて提供されていた揚げ玉と、徳利で出されていたそばつゆが無い・・・生姜しかない。
揚げ玉の量は完全に減っている。そばつゆの量も。
以前書いたが、小諸そばの二枚冷やしたぬきそばは、大量の揚げ玉を通してかけられたそばつゆが麺に絡むところに旨さがあった。
これでは、魅力は半減だ。
非常に残念だと思いながら、席に着く。
隣のサラリーマンも二枚冷やしたぬきを注文していたが、小皿には生姜しかなかった。
間違いではないらしい。
ショックだ。
割り箸を割って、そばを手繰る。
そばつゆが少ない。そして、いつもの小諸そばのつゆだ。
二枚冷やしたぬきでのみ得られていた高揚感がない。
いつものつゆ。湯で置きの麺。冷やしでもコシのない麺。
非常に残念だ。
ただ二倍に増えただけの麺をすする。感動がない。
あの油ぎったそばつゆが麺と一緒に口の中へ入ってくるときの興奮がないのだ。
悲しい。ただ悲しい。
麺が多い。悲しさも二倍になったかのようだ。
俺は、油ぎったたっぷりのそばつゆを、麺とともにすすりたかった。
しかし、今目の前にあるのは、味気ない立ち食いそば。
自分の気持ちをどこにぶつけていいのかわからない。
万物は流転する。元のままということはありえない。
仕方が無い。
諦めるしかないということは分かっている。
ただ、感情の面で納得できないのだ。
俺はどうしたらいいのか。
考えながら食べる。すぐに食べ終わる。
昼時の小諸そばだ。店内は混んでいる、長居してはいけない。
外に出る。綺麗な五月晴れの空。半袖の大学生、ワイシャツ姿のサラリーマン。
それでも俺の気持ちは、沈んだままだった。
360円のそばに、何を求めているのかと言われるかもしれない。
確かにこんな事はどうでもいい、くだらないことだ。
だがくだらないからこそ、変わってほしくなかった。
360円のそばの食べ方で、いちいち悩みたかった。
今日はそばが伸びてたとかどうでもいい事で、一喜一憂したかった。
それももう、叶うことはない。二枚冷やしたぬきのない小諸そばなんて、双子じゃないザ・たっちみたいなものだ。
ただもう一度くらい、小諸そばに行って、あの日のことは何かの間違いだったんじゃないかと、二枚冷やしたぬきを注文してしまいそうな自分がいる。
それだけの話。
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